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OpenAI「GPT-5」発表 |性能・プラン・API・精度改善まとめ

OpenAI「GPT-5」発表 |性能・プラン・API・精度改善まとめ
山﨑祐太
山﨑祐太代表取締役
2025年8月8日
OpenAIが2025年8月に発表した最新モデル「GPT-5」の性能・料金プラン・API仕様・精度改善を徹底解説。ハルシネーション低減や推論性能向上など最新情報をまとめました。

2025年8月9日更新

ENSOUチャットボットからGPT-5をご利用頂けるようになりました。

2025年8月6日午前2時(日本時間)から、OpenAI社が自社の最新モデルである GPT-5 に関する発表 を行いました。

GPT-5 は同社が過去に提供してきたモデルの中で最も高性能かつ高速であり、実用性に優れたモデルとして紹介されています。

GPT-5 の利用開始日はいつ?プラン別の提供開始スケジュール

プラン

モデル

開始時期

制限

無料版

GPT-5, GPT-5 mini

2025年8月8日

一定の制限

Plus

GPT-5, GPT-5 mini

2025年8月8日

無料版より大幅に多い送信数

Pro

GPT-5, GPT-5 Pro

2025年8月8日

GPT-5 は無制限

Team

GPT-5, GPT-5 mini

2025年8月8日

組織全体で GPT‑5 を安心して使える十分な上限

Edu

言及なし

2025年8月8日の1週間後

言及なし

Enterprise

言及なし

2025年8月8日の1週間後

言及なし

日本時間の2025年8月8日から、無料版、Plus、Pro、Teamの全ユーザーが GPT-5 を利用できます。Enterprise と Edu プランは1週間後から提供が始まります。

Pro プランは GPT-5 の無制限の使用と、 GPT-5 Pro へのアクセスが提供されます。

Plus と Team プランであれば GPT-5 の利用に一定の制限(Teamプランは組織として十分に使えるだけの上限があるとのこと)があり、無料版は少し厳しめの制限が設けられます。

利用上限に達すると GPT-5 から GPT-5 mini にモデルが切り替わる仕様のようです。

ChatGPT で使える GPT-5 のモデル種別

ChatGPTのWebアプリケーション・デスクトップアプリ・スマホアプリで提供される GPT-5 のモデルは下記の3種類です。

  • GPT-5
  • GPT-5 Thinking
  • GPT-5 Pro

GPT-5 - 高速・推論モデルを動的に切り替え

GPT-5 は2つのモデル(高速・推論)とそれらを動的に切り替えるルーターから構成されるAIシステムです。

通常時は高速モデルが利用され、複雑な課題やユーザーが深く考えることを要求した場合には、推論モデルが利用されるよう、ルーティングされる仕組みになっています。

これまでの ChatGPT アプリであれば、4o、o3、o3 pro など、様々なモデルをユーザーが選択しながら利用してくる必要がありました。今回のリリースでは、このモデルの切り替えをユーザーが意識することなく、AI側で勝手に判断してくれることになり、ユーザー体験の向上に繋がることが想定されます。

私が2025年8月8日午前10時時点で ChatGPT の画面を確認すると、左上にあるようにモデルの選択が基本的には GPT-5 しか選択出来ないようになっています。

先日のアップデートで Grok もモデルを自動選択する Auto の機能がデフォルトになりました。今回の OpenAI 社の発表はこれに続き、基本的にユーザーは使用しているモデルを意識しないようになっていく流れを加速させるものであると考えられます。

またプラン毎にフラッグシップモデルには利用制限があり、制限に達すると、それぞれ mini 版のモデルが利用されることが明言されています。

GPT-5 Thinking

GPT-5 Thinking は 従来の o3 に代わる reasoning モデルとしてリリースされました。

通常の GPT-5 と比較して、深い論理的思考や思考ステップを処理として挟むことで、複雑な課題を解く能力に長けています。

GPT-5 が動的に切り替える先のひとつです。

GPT-5 Pro

GPT-5 Pro は Proプランに加入しているユーザーのみがアクセス可能なモデルです。

GPT-5 Thinking より深い思考が可能であり、従来の o3 Pro に代わるモデルとしてリリースされています。

過去モデルの廃止

今回のリリースにより、 GPT-5 は ChatGPT のデフォルトモデルとなります。

昨日まで ChatGPT で提供されていた 4o、o3、o4-mini、GPT-4.1 などのモデルは利用できなくなり、GPT-5 と GPT-5 Thinking、 GPT-5 Pro に完全に置き換えられます。

OpenAI GPT-5 API で使えるモデル

開発者向けのリリース も同時に公開されています。

APIとしては、以下の4つのモデルが提供されています。

  • GPT-5
  • GPT-5 mini
  • GPT-5 nano
  • GPT-5 Chat

以下にモデルの差異をまとめます。推論・速度はOpenAI社が提供しているなんとなくの指標で相対的に考えると良いです。価格は入出力とも100万トークンあたりです。

モデル

推論

速度

価格(入力 / 出力)

入力

出力

コンテキストウィンドウ

GPT-5

4

3

$1.25 / $10

テキスト、画像

テキスト

400,000

GPT-5 mini

3

4

$0.25 / $2

テキスト、画像

テキスト

400,000

GPT-5 nano

2

5

$0.05 / $0.4

テキスト、画像

テキスト

400,000

GPT-5 Chat

3

3

$1.25 / $10

テキスト、画像

テキスト

400,000

APIドキュメント では GPT-5 モデルを各種用途で、どのように使用すれば良いかのガイドも提供されています。詳しくはこちらのドキュメントを参照ください。

GPT-5の性能向上

GPT-5 の発表では、同社の過去のモデルである 4o や o3 などとの比較によって、様々なベンチで優れたパフォーマンスを示したことが述べられました。

ハルシネーションの低減

その中から個人的に特にありがたい精度向上だと感じたのは、ハルシネーション(事実ではない内容や根拠のない情報をもっともらしく生成してしまう現象)が大幅に低減したことです。

具体的には、ChatGPTで実際に質問されるようなプロンプトへの応答で、 4o より約 20% も事実誤認が少なく、 Thinking モードでは o3 と比較して約 70% も少なくなっていると報告されています。

https://openai.com/ja-JP/index/introducing-gpt-5/ より
https://openai.com/ja-JP/index/introducing-gpt-5/ より

過度な同調の抑制

GPT-5 は 4o と比較して、過度な同調を抑え、不要な絵文字の使用も低減されたとされています。

4o は非常に高いEQを持つAIシステムである一方で、EQの高さを求めるが故に、ユーザーが入力した内容について過度に同調してしまうという課題がありました。

4oがお世辞を言いすぎるという課題は少し前から言及されており、OpenAI社は2025年4月に「Sycophancy in GPT-4o: what happened and what we’re doing about it」という記事を公開し、この問題が強く出たアップデートをロールバックして修正したと発表しています。

GPT-5 ではこの過度な同調への対策を実施し、 4o と比較して迎合的回答が半分以下になったと報告しています。

指示追従性の向上

下記のこちらの記事で、 GPT-4.1 の一番の進化が指示追従性の向上にあると言及しましたが、今回もこの方針は継続されており指示への追従性能が向上しています。

これは時代的な背景もあり、現在はLLMに一度リクエストを送ってその回答を確認する、というユースケースは非常に稀となってきています。その代わりに増えているのがAIエージェントと呼ばれるLLMのAPIコールを複数回繰り返し、ときに外部ツールを利用しながら適切な振る舞いをするユースケースです。

この場合はLLMの回答を制御しやすく、エージェントシステムの開発者が自在にカスタマイズできる必要があります。

こういった背景もあり、今回の GPT-5 でも同様に指示追従性の向上に言及されています。

その他の進化

その他の詳しいベンチマークの成果については、以下の記事をご覧ください。

まとめ

今回発表された GPT-5 は、これまでのモデルを大きく上回る性能・速度・実用性を備え、ユーザー体験を一段と向上させるアップデートになる可能性があります。

特にモデル構成では、従来のようにユーザーが手動でモデルを選ぶ必要がなくなり、GPT-5 が自動で高速モデルと推論モデルを切り替える仕組みに進化し、ユーザー体験の向上が期待できます。

総じて、GPT-5 は「性能の向上」「ユーザー体験の簡略化」「開発者フレンドリーな設計」という3つの軸で進化を遂げており、日常利用から高度な業務・開発まで、幅広いシーンで活用が進むことが見込まれます。

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