GPT-5 モデル一覧:ChatGPT と OpenAI API の違い・料金・使い分け完全ガイド


先日OpenAI社から GPT-5のリリース がありました。
GPT-5はOpenAIが投入した次世代のフラッグシップモデルであり、その日から基本的に全てのデフォルトがGPT-5を利用するようになりました。
その中で、ChatGPTのアプリケーションから使えるモデル、そしてAPIから使えるモデルには、実は複数のモデルが含まれています。
本記事ではそんなGPT-5としてリリースされた様々なモデルについて解説します。
GPT-5の紹介・解説として、以下の記事を公開しています。よろしければご覧ください。
ChatGPT と OpenAI API の違い
ChatGPT は chatgpt.com やこのアプリをスマートフォンやPCで利用できるネイティブアプリのことを指します。

これに対して、OpenAI API は、 こちらのページ で紹介されているOpenAIの様々なモデルを開発者が利用できるプラットフォームのことです。

ChatGPT は開発者専用ではなく提供されるアプリケーションですので、提供されているモデルはシンプルに統一されています。特に精度はそこそこだが安価・高速に動作する、というモデルは、ChatGPTからはあまり利用できませんでした。
一方、開発者向けの特化したサービスを提供する OpenAI API では、 ChatGPT よりも様々なモデルが提供されています。
特徴的なものとしては、直近であれば GPT-4.1 nano などが例として挙げられます。このモデルは GPT-4.1 や GPT-4.1-mini などと比較して、非常に高速かつ安価に実行できます。
ChatGPT で使えるモデル(プラン別・既定モデル・切替方法)
ChatGPT で使える GPT-5 3つのモデル
ChatGPT では、
- GPT-5
- GPT-5 Thinking
- GPT-5 Pro
の3つのモデルが提供されています。

公式のリリースノート によると、Free、Plus、Pro、Teamに対しては、リリース当日にGPT-5のモデルが利用可能になるとしています。一方で Enterprise と Edu プランは、リリースから1週間後を目安に提供を開始すると発表されました。
プラン | 利用できるモデル | 制限 | 備考 |
---|---|---|---|
Free | GPT-5 | GPT-5:5時間ごとに10件、制限以降はミニに切り替え | |
Plus | GPT-5 | GPT-5:3時間ごとに160件、制限以降はミニに切り替え | |
Team | GPT-5 | GPT-5 :無制限 | |
Pro | GPT-5 | GPT-5 :無制限 | |
Enterprise | 記載なし | 記載なし | リリースから1週間を目安に提供とのこと |
Edu | 記載なし | 記載なし | リリースから1週間を目安に提供とのこと |
GPT-5 の3つのモデルの特徴
GPT‑5
汎用的なタスクに利用できるフラッグシップモデルです。ユーザー入力に応じて、GPT-5 と GPT-5 Thinking を切り替える機能を持っており、ほとんどのケースでこのモデルを利用できます。過去の GPT-4.1 や 4o に当たるモデルです。
GPT‑5 Thinking
GPT-5 に reasoning 機能を追加したモデルです。より複雑な課題に対して、深い論理的思考をステップを踏んだ思考過程で回答します。過去の o3 に当たるモデルです。
GPT‑5 Pro
より強力な計算リソースを使い、処理に時間を要するものの、最も高い論理的な思考能力を持つモデルです。過去の o3 Pro に当たるモデルです。
GPT-5 リリースに伴い廃止になる過去のモデル
GPT-5のリリースと同時に、過去のモデルの廃止がアナウンスされました。
具体的には以下のモデルが利用できなくなります。
- GPT-4.1
- GPT-4.1 mini
- GPT-4.5
- o4-mini
- o4-mini-high
- o3
- o3 Pro
一方で、Plus、Team、Proプランを利用しているユーザーは、設定画面からレガシーモデルを表示というオプションを有効にすることで、過去のモデルへのアクセスが継続できるようです。

過去モデルからGPT-5への移行表
過去のモデルで行った会話履歴のデータについては、GPT-5リリース以降は新規モデルに切り替わるという旨が説明されています。
この情報を参照すると、旧モデルをGPT-5でどのように利用すれば良いかについて、以下のように整理できます。過去のモデルからの移行先を何にすれば良いかについて知りたい方は、下記の表を参考にしてください。
旧モデル | 新モデル(GPT-5) |
---|---|
GPT-4.1 | GPT-5 |
GPT-4.5 | GPT-5 |
GPT-4.1 mini | GPT-5 |
o4-mini | GPT-5 |
o4-mini-high | GPT-5 |
o3 | GPT-5 Thinking |
o3 Pro | GPT-5 Thinking Pro |
今回のGPT-5のリリースに伴い、モデルが非常に簡潔に整理されたことが分かります。
OpenAI API で使える GPT-5 のモデルと料金体系
GPT-5のAPIをGPT-4.1と性能比較した検証記事 を公開しています。よろしければご覧ください。
OpenAI API で使える GPT-5 3つのモデル
OpenAI API の料金ページ にあるとおり、 OpenAI API では以下の3つのモデルが利用できます。
- GPT-5:コーディングやAIエージェントなど、複数ドメインの様々なタスクで利用できるフラッグシップモデル
- GPT-5 mini:コストと速度を両立したモデル
- GPT-5 nano:最も高速かつコストを抑えたモデル
一方で ChatGPT から利用できる推論(reasoning)モデルである、 GPT-5 Thinking はAPIとしては提供されていません。
OpenAI API GPT-5 の利用料金
OpenAI API で提供されている GPT-5 の3つのモデルは、2025年8月12日時点で以下の料金となっています。
モデル | 入力料金(1Mトークンあたり) | キャッシュ入力料金(1Mトークンあたり) | 出力料金(1Mトークンあたり) |
---|---|---|---|
GPT-5 | $1.250 | $0.125 | $10.000 |
GPT-5 mini | $0.250 | $0.025 | $2.000 |
GPT-5 nano | $0.050 | $0.005 | $0.400 |
また料金を抑える目的やセキュリティ上の問題で、GPT-OSS によるローカルLLMを利用したい場合は以下の記事をご覧ください。
GPT-5 の裏側で何が動いているのかをシステムカードの情報から解説
GPT-5 は先述の通り、 ChatGPT と OpenAI API を通して、 OpenAI社から提供されています。
2025年8月8日(日本時間)のリリースに合わせて、 GPT-5のシステムカード も公開されています。このシステムカードでは、モデルの挙動の裏側の処理について、詳しく記載されているので解説していきます。
GPT-5 は複数モデルが統合されたアーキテクチャ
GPT-5のシステムカードによると、このモデルは単一のモデルというよりも、複数のモデルと高度なルーティングシステムを統合した「複合システム」として設計されています。
gpt-5-main / gpt-5-main-mini
OpenAI社はこの2つのモデルを「高速・高スループットの汎用モデル」として紹介しています。汎用的な質問や短いやり取りに素早く対応し、低レイテンシーを実現するモデルです。GPT-4oやGPT-4o-miniの後継にあたるモデルです。
gpt-5-thinking / gpt-5-thinking-mini
深い論理的思考やステップバイステップ推論が必要な課題に対応するのがこのモデルです。o3やo4-miniの後継にあたると紹介されています。
gpt-5-thinking-nano
開発者向けに提供される、高速・低コストな思考モデルです。
gpt-5-thinking-pro
並列計算能力を活用し、特に複雑で時間のかかる問題を解決するために設計されたモデルであり、o3 Proの後継にあたります。
ChatGPT の利用上限を超えたときに利用されるモデル
ChatGPT ではプランによって使えるモデルが制限されていますが、制限時にはミニのモデルに切り替えられる旨が説明されています。
そしてこのシステムカードを見る限りは、制限時には以下のような切り替えが行われていることが予想できます。
- GPT-5:gpt-5-main から gpt-5-main-mini に切り替え
- GPT-5 Thinking:gpt-5-thinking から gpt-5-thinking-mini に切り替え
- GPT-5 Thinking Pro:上限時は Thinking Pro が使用できなくなる
まとめ
今回のGPT-5リリースにより、ChatGPTとOpenAI APIの両方で利用できるモデル体系が大きく整理され、ユーザーにとって選択肢が明確になりました。ChatGPTでは「GPT-5」「GPT-5 Thinking」「GPT-5 Thinking Pro」の3種類が提供され、用途や必要な推論能力に応じて使い分けが可能です。一方、APIではパフォーマンスやコスト要件に応じた「GPT-5」「GPT-5 mini」「GPT-5 nano」が利用でき、推論特化モデルは提供されません。
また、旧モデルの多くが廃止され、移行先も明確に整理されたことで、既存のワークフローをスムーズにGPT-5へ移行できます。さらにシステムカードからは、GPT-5が単一モデルではなく複数のサブモデルと高度なルーティングで構成された複合システムであることが明らかになり、状況に応じた最適モデル切り替えが自動的に行われる仕組みも見えてきました。
今後、精度・速度・コストのバランスを考慮しながら、プランや利用環境に合わせて最適なGPT-5モデルを選択することが、より効果的なAI活用の鍵になるでしょう。
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