2025年8月30日

ChatGPTの「コネクター機能」とは?連携アプリ一覧と活用事例を徹底解説

ChatGPTの「コネクター機能」で何ができる?Google Drive、Outlook、Notionなどとの連携方法と、活用シーンを徹底解説。企業での利用時のセキュリティ管理や導入メリットも紹介。

山﨑祐太
山﨑祐太
代表取締役
ChatGPTの「コネクター機能」とは?連携アプリ一覧と活用事例を徹底解説

OpenAI社が提供するChatGPTでは、コネクターと呼ばれる機能が提供されています。

コネクターは様々な外部ツールと連携するための機能であり、Google Drive、SharePoint、Microsoft Teams、Notionなどとの連携が公式でサポートされています。

本記事ではそんな ChatGPT のコネクター機能について解説し、どんなツールと連携ができ、結果的にどんなメリットがあるのかについて、徹底解説していきます。

ChatGPT Connectors (コネクター)とは

ChatGPT のコネクター機能は、LLMの持っている知識だけではなく、様々な外部データソースにアクセスすることで、より様々な問題について質問ができたり、自分にパーソナライズされた回答が得られるための機能です。

例えば、コネクター機能で Gmail や Outlook などのメールアプリと連携することで、 ChatGPT に「直近で返信漏れしているメールをリストアップして」という指示を出すだけで、自分が返信できていなかったメールについて説明してくれるようになります。

このように様々な外部のデータソースに接続するために提供されているのが、このコネクター機能です。コネクターの詳細については、 OpenAI公式のヘルプページ で説明されています。

コネクターで連携できるアプリの一覧

2025年9月時点では、公式で以下のアプリとの連携をサポートしています。

ChatGPT Connectorsで連携できるアプリの一覧
ChatGPT Connectorsで連携できるアプリの一覧

アプリの名称としては以下の通りです。

  • Google Drive
  • Gmail
  • Google Calendar
  • Google Contacts
  • SharePoint
  • Microsoft Teams
  • Outlook
  • Notion
  • Dropbox
  • Box
  • GitHub
  • HubSpot
  • Canva
  • Linear

利用可能なコネクターの最新情報は、公式のコネクター機能のページに掲載されています。

「Chat Connectors」と「Deep Research Connectors」

ChatGPT が提供するコネクターは、通常のチャットで利用できるコネクターと、DeepResearchで利用できるコネクターの2種類があります。それぞれ英語では、「Chat Connectors」と「Deep Research Connectors」と記載されています。

コネクターは公式で様々なアプリケーションとの連携が提供されており、多くのツールは通常のチャットとDeepResearchの両方で利用できるようになっていますが、一部ツールはどちらかだけでしか利用できない、またプランによっても利用できるツールに差異があります。

Synced connectors(同期コネクター)

Google Drive と GitHub のコネクターは Synced Connectors(同期コネクター)として提供されています。

同期コネクターは、連携先のデータを事前に取得してインデックスしておき、高速に検索を行うために利用されています。

企業におけるコネクター利用のセキュリティ

コネクター機能は様々な外部ツールと連携でき、生産性を高めてくれる便利なツールである一方で、システム間の連携ができてしまうことでデータ管理などセキュリティ面の適切な運用が必要です。

ChatGPT Connectors におけるアプリ連携の仕組み

ChatGPT Connectors では、

  1. 管理者がアプリの連携許可を出す
  2. 許可されたアプリの中からユーザーが各認証を行い連携する

という流れで外部ツールとの連携を行います。

この仕組みを採用していることで、管理者が意図しないアプリと勝手に連携されるという問題を防ぐことができます。またユーザーが各々認証を行うため、そのユーザーが本来参照できるべきではないデータを誤って参照してしまうという問題を防げます。

それぞれの設定方法について、「管理者による連携可能なアプリの許可」と「ユーザーによるアプリの認証」のステップで説明します。

1. 管理者がアプリの連携許可を出す

ChatGPT の企業向けプランである「Enterprise」「Edu」「Business」では、セキュリティを担保するために、管理者が連携可能なアプリの許可をする仕組みになっています。

管理者ユーザーであれば、「ワークスペースの設定」→「コネクター」から、このワークスペースのユーザーが連携できるアプリを以下のような画面で許可できます。

![[ChatGPT 7.png]]

ここでチェックが有効になっているアプリが、ワークスペース内のユーザーの連携可能なアプリの一覧として提示されます。

2. 許可されたアプリの中からユーザーが各認証を行い連携する

先ほどの手順で連携許可を得たアプリを、各ユーザーは連携することができます。

「設定」→「コネクター」から以下の画面を開きます。

コネクターの個人設定
コネクターの個人設定

この画面では、

  • GitHub
  • Gmail
  • Google Drive
  • Google Calendar
  • Linear

というアプリとの連携が有効になっており、さらにBocやCanvaなど他のツールとの連携も認証を行えば可能となります。

今回はGoogleコンタクトとの連携を行います。先ほどの画面でGoogleコンタクトをクリックすると以下の画面が開きます。この画面で「接続する」ボタンを押下します。

Googleコンタクトとコネクターによる接続
Googleコンタクトとコネクターによる接続

接続するボタンを押下すると、以下の画面で事前の注意事項などが表示され、連携を進める場合は下部にある「Googleコンタクトに進む」をクリックします。

Googleコンタクトとコネクターによる接続
Googleコンタクトとコネクターによる接続

ボタンの押下後はGoogleのアカウント選択画面と連携を許可するかという旨の画面が表示されるため、自身の連携したいアカウントを選択し、連携を進めます。

他のアプリと連携をしたい場合も同様に、アプリを選択し、そのアプリの認証を行うことで連携が完了します。

ChatGPTの一般的なセキュリティに関しては、以下の記事で説明しています👇

コネクターの活用事例

様々なコネクターが提供されているので、各ツールを具体的にどんなことに利用できるかを解説します。

Google Drive コネクター

利用シーン

  • 社内のドキュメントやスプレッドシートを横断検索して、必要な資料をすぐ見つけたいとき
  • 会議資料や要件定義書の要約・比較をしたいとき

質問例

  • 「プロジェクトXの要件定義書を探して要約してください」
  • 「最新の営業報告書から主要KPIを抜き出してください」
  • 「このスプレッドシートから今月の売上合計を出して」

Microsoft Teams / Outlook コネクター

利用シーン

  • 社内チャットや会議履歴を参照
  • メールや予定を会話中に整理

質問例

  • 「先週のTeams会議で合意されたタスクをリストアップして」
  • 「営業部の最新のスレッドから顧客要望を抽出して」
  • 「明日の予定を一覧にして整理してください」

Gmail / Googleカレンダー / Googleコンタクト コネクター

利用シーン

  • メールから情報を抽出
  • スケジュール確認やリマインド作成
  • 連絡先の検索

質問例

  • 「○○株式会社の田中さんからの最新のメールを要約して」
  • 「来週の営業予定を表にまとめて」
  • 「鈴木さんの電話番号を教えて」

HubSpot コネクター

利用シーン

  • 商談管理や顧客データの活用
  • 営業レポート作成を自動化

質問例

  • 「直近のリード獲得状況をグラフ化して」
  • 「A社の商談履歴をまとめて」
  • 「今月の受注金額トップ5の顧客を抽出して」

GitHub コネクター

利用シーン

  • コードレビューやリポジトリのリファレンスを効率化
  • 過去の実装やPRを素早く確認

質問例

  • 「〜案件のリポジトリのログイン機能の実装を要約してください」
  • 「直近のPull Requestで追加されたAPIエンドポイントを教えて」
  • 「この関数に類似する処理が他にないか探して」

まとめ

ChatGPTのコネクター機能は、単なるチャットAIを超えた強力な業務支援ツールとして活用できます。

GmailやGoogle Drive、Microsoft Teams、Notion、GitHubなど、多くのビジネスアプリと連携することで、日常業務に必要な情報収集や整理、意思決定の支援がよりスピーディーに行えるようになります。

特に企業利用では、管理者によるアプリの使用許可とユーザー個別の認証によって、セキュリティを確保しながら柔軟な連携が実現可能です。情報漏洩のリスクを抑えつつ、チームや部署単位で最適な運用ができる点も大きなメリットです。

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